新型コロナ禍なのに、雪道でカルバンクラインの黒パンツが印象的なトロントのダークポップ、sokokashiko 歪んでるアポカリプスポップ Jesse Crowe — a.k.a. Praises。Released by Hand Drawn Dracula 暗くて演劇的な Praises が受けた音楽的な影響はたぶん、シューゲイザーバンド、スロウダイブの Rachel Ann Goswell レイチェル・ゴスウェル辺りだとか、パティ・スミスの詩動力、Beth Gibbons ベス・ギボンズ～ポーティスヘッドのずっぽし底なしの暗闇、「緊張に満ちた夜」に見られるユーリズミックスアニー・レノックスの前衛なんでしょう。
シカゴのドリームポップシンガーソングライター、Devin Shaffer さんのデビューLPアルバム、In My Dreams I’m There から。蜘蛛の巣にひとりぼっちにされてるみたいな、コロナ禍の孤立した状況で彼女がみた、儚く壊れやすいフラジャイルな夢風景の観察日記から作品が生まれました。おそろしく人気がない彼女だけれども、彼女の天使のようなボーカルが ドリームポップの救いなのです。
Devin Shaffer – Kissing in the Park
JUDEE SILL、BILL CALLAHAN、そして SHARON VAN ETTEN 系統のアイルランド出身ロンドン在住の女性シンガーソングライター、 BRIGID MAE POWER、そしておブスおばさん。
３年まえに掲載したエクスペリメンタルなメキシコの瞑想的グアテマラ人ドリーミーチェロ奏者の Mabe Fratti さんが２０２４年にアルバム「Se Ve Desde Aquí」を再発した。さすがに顔の形から、Erika De Casier とはちがうのがわかるけど、そりゃいろいろあるイギリスのテルザとそっくりだし。チェロ弾き語りスタイルのくぐもった女性ボーカル、しなやかで張りのあるサウンドと、自信に満ちた明晰な世界観、突然メロディアスな楽曲が放つアシッドフォーク的情感と、洗練されたポスト・クラシカルなサウンドスケープ、クリアな魅力が溢れてびしょびしょ。ってあるけど、シンセ色が褪せてアコースティックで柔らかいティッシュのような温かみとふんわり感のある乗り心地で結構クセになりそうそうっすよねそうっすよね。
Mabe Fratti – Cada Músculo
Mabe Fratti – Pantalla Azul
Of ‘Pantalla Azul’, she added: “This one was born out of me getting a Whammy and playing around with it. I came up with the riff and a melody that was inspired by ‘autotuned’ effects. Héctor [Tosta – her partner, multi-instrumentalist, and co-composer] pushed the track forward by creating the quantic jump towards the polyrhythmic section that transforms the song,” Fratti says. “The lyrics make a reference to the ‘stop’ blue on the screen on VHS or the blue screen of a PC when it breaks. Also to an appreciation to what’s unknown and mysterious, and being at peace with the shadow and the complexity of things.”
他者との対話のなかできもちが重なり合うことについて、彼女は分からないという気持ちがあなたを柔らかくすると書いている。わからないと感じて混乱してしまうときもしかしたら自分は知らないわからないと感じることで、あなたはより良い人間に変わっていくのではないでしょうかと意味不明のことをメキシコで書いています。VHSの画面に表示される停止の青色またはパソコンが壊れたときのブルースクリーンについて言及した歌詞からは物事の陰の領域や複雑さを受け入れて未知のものや神秘的なものへの感謝しようみたい風。
ミュージックアイランズ musicislands 